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「クラフトビール（Craft Beer）」とは、小規模なビール醸造所で造られる、造り手のクラフトマンシップを感じられる高品質なビール。
もともとは規制緩和で生まれた「地ビール」と呼ばれていましたが、よりクオリティやクラフトマンシップの高いビールに進化して「クラフトビール」と呼ばれるようになってきました。
日本の大手ビールメーカーの作る画一的なピルスナービールと全く違う味わい、バラエティの豊富さで人気を集め、市場が広がってきました。

ペールエール

エールビールの定番スタイル。イギリス発祥でパブなどには必ずあるビールで日本のビアバーなどでも定番です。
ペールエールはその名の通り、淡色の上面発酵のビールですが、大半は赤褐色に近いカラー。苦味の強さは幅広いですが、ボディはライトからミディアムで軽快な飲み口のものが多いのが特徴。やや高めの温度で提供されて、香りを楽しむように味わうのが本場の飲まれ方のようです。

ヴァイツェン

ドイツの定番のいわゆる白ビールの一つです。一般的に苦味が控えめで特に日本ではフルーティーなヴァイツェンが好まれているため、普段はビールが苦手な女性にも人気のスタイルです。原料に大麦麦芽だけでなく小麦麦芽を原料に使うのが特徴で、うっすらと濁りのあるビールに仕上がります。

スタウト

日本で黒ビールと言えばこのスタイルを意味する場合が多いのは、「ギネス・ビール」のイメージがあるからでしょう。本来はアイルランド生まれのビールです。黒く焦げるほどしっかりローストされた麦芽、麦芽化される前の大麦をローストして用いるのが特徴で、真っ黒なビールの色と、コーヒーのような香ばし味わいが特徴です。アルコールの強弱、甘みの強弱も幅広くあるスタイルで一口でスタウトと言っても様々な味わいを楽しめるビールの一つですが、上面発酵のエールビールであることがスタウトの基本です。

ピルスナー

日本の大手ビールメーカーが唯一にしてもっとも量産しているスタイルがこのピルスナーです。日本人のビールのイメージといえば、黄金色に輝くドライなラガービールの一択かもしれません。
世界的に見ても最も量産されるスタイルにまで成長したこのビールは、下面発酵のすっきりとしたマイルドな香りが特徴で、のど越しやドライでホップの苦味を感じやすいスタイルです。日本の大手ビールメーカーのビールのピルスナーはジャーマンスタイルですが、ほかにもボヘミアンピルスナーなど世界にはいくつかのピルスナーがあります。
正直に言うと、ブリューパブのような小規模メーカーにはピルスナーを作るのは難しい場合が多いです。発酵温度や製造期間など、上面発酵のエールビールとは違う課題があります

フルーツビール

ビールにフルーツの果汁や果実、果皮を漬け込んだり混ぜたりして作られるビールです。出来上がったビールに混ぜる場合はビアカクテルになりますが、仕込の工程や発酵の過程で加えられるのでフルーツの甘みなどが発酵で消費され、思ったよりドライな仕上がりになる場合もしばしば。特にブリューパブのほとんどは発泡酒免許を取得しているため、純粋なビールを製造できません。そこで副原料を加えるのですが、フルーツやスパイスを加えることで多様な味わいを表現することができます。世界的に見ればベルギービールでフルーツを使ったビールを多く見ることができます。ビールの苦手な女性にも気に入って頂ける人気のスタイルの一つです。

ベルジャンホワイト

日本でも徐々に知名度が上がりつつあるスタイルで、その代表と言えばやはりヒューガルデン。麦芽化しない小麦を使ったり、オレンジピールとコリアンダーを副原料に使うのが特徴でコリアンダーの爽やかな香りと柑橘のフルーティな香り、小麦由来のさっぱりとした酸味と口当たりが特徴。副原料を必ず使うという点で、発泡酒免許のブリューパブでも比較的登場しやすいスタイルかもしれません。ベルジャンホワイトとブロンシュ、ヴィットなどとも呼ばれます。

ポーター

日本でポーターという名前で馴染みのある黒ビールを思い当たる方は少ないと思いますが、れっきとしたスタウトの源流。名前の由来は諸説あるものの、ロンドンの荷物配達人（ポーター）の人たちが好んで飲んだことから来ているのだとか。スタウト同様、ローストした麦芽を使ったコーヒーのような香ばしい味わいが特徴ですが、ほのかな甘みや芳醇な香りがポーターの良さでしょう。